日本海軍戦艦“武蔵”

@ベースキットはこれ

信濃の時に紹介したニチモの1/700大和です。
あちらでも書きましたが元々船底の部品を取る為に購入した物でした。
しかし、以外にもパーツの印象が良かったので一個のキットとして完成
させたくなり、折角モーターライズキットなのだからこれを活かさぬ道は
ないな、と、RC化計画を思い付くに至りました。
とはいえ、いくらなんでもそのまま完成させるには細部表現において難が
有りますので、気になる所は新しい部品と交換しなければなりません。
おまけに大和は竣工時を除く各型の連斬模型を持っておりますので、
2番艦の武蔵に仕様変更する事にしました。
ARC装置を選ぶ

さて、RCにする以上このサイズの船体に収めるのに適したRC装置を
調達しなければなりません。
水モノRCを扱った各サイトを見て検討した結果、今回はエアロRCの基盤と タイヨーの簡易サーボを選択しました。
この二つは比較的入手が簡単で、圧倒的に安価、その上配線さえ気を付ければ 特別な加工無しにポン付け出来るのが魅力です。
30cmシリーズだとモーターと電池の重量がネックになりますが、このキット なら浮力は十分ありますので、モーターもミニ4駆用の物など、選択の範囲が広くなります。
B装置の配線

エアロRCの基盤には走行用・操舵用それぞれのモーターへのリード線と 、乾電池用の電極が半田付けされているのでこれらを一旦外し、新たにリード線を 半田付けしてモーター・簡易サーボ・電池ボックスに繋ぎます。
ここでの注意点は電池ボックス用の接点が+・−用の二極の他に主電源スイッチ 用としてもう一極存在する点です。これを二つの電池の間を渡すように配線して やらないと、舵が片方にしか切れなくなってしまいます。
今回は乾電池二個を一体で収める電池ボックスだったので、基盤から外した 金属板を加工してボックスの金具にかませて配線しました。
C操舵装置の改良

さて、操舵を担当するタイヨーの簡易サーボですが、“簡易”というだけ あって機構的に“ニュートラル”が存在しません。
そのまま使うとまっすぐ走る事が出来ませんので、舵の中立を保つ機構を設ける必要があります。
方法としては、@サーボのどこかにバネを追加する。A舵の方に何らかの復元力を追加する。が考えられます。
1/700大和の艦尾のスペースには余裕があるので今回は後者の方が適切と思われたので 最初そうするつもりでしたが、よく考えれば次回以降にもっと小型の船を作る時に必要な ノウハウを蓄積しておいた方が有意義と考え、@の方針で行く事を決めました。
ニュートラル加工は内蔵もしくは外付けでバネを取り付ける事で成立しますが、幸いサーボの 容積に余裕が有り、またケースを開けるのも簡単なので、見た目にもすっきりさせられる内蔵式を選択。
0.3ミリ程度のステンレス線かピアノ線を3回ほどギヤの軸の太さに巻き、その両端を90度に 折ってそれぞれ上と下に向け、ギヤの軸にバネを取り付ける際にギヤとケースに開けた穴に通してやれば完成です。
ただこの工法、後で調べたら「ねんなく」さんという方が1年位前にそっち系の情報BBSで紹介していた事が判りました。
ご自分のサイトの方では掲載されてなかったので完全にノーチェックでしたよ・・・トホホ。
D舵の製作(その1)

操舵装置が出来たら、次は舵を加工してサーボの動きを伝えられるようにします。
まず市販のミニサーボ用のサーボセイバーに2ミリのナットをはめ込みますが、私はサーボセイバーの受けに ナットを乗せ、その上から半田ごてを当てて熱しながら押し込みました。
歪まない様に注意が要りますが、簡単にナットを入れる事が出来ます。
ナットを入れ終わったら余分なホーンを切って完成です。
(この時はまだ舵側に復元装置を付けるつもりだったので、ホーンは2本残してますが、後に切り取っています。)
E舵の製作(その2)

サーボセイバーが付けられるように舵の部品を加工します。
先ず舵の軸を4ミリ程度残して切り取り、軸径がおよそ2ミリになるように整形します。
次に内径2ミリのプラパイプの一部を切り欠いて舵にはめ込み接着します。パイプの長さは余分を残しておいて 後で調整します。
船体側の軸受けの穴を5ミリのドリルで拡げながら貫通させ、5ミリのプラパイプを差し込んで接着。 船底側で少し頭が出る程度、内側では本来の軸受けと同じ高さになるようにカットします。
新造した軸受けに舵の軸を差込み、軸受けの上端から頭がほんの少し出るようにしてカットすれば長さが決まります。
最後に2ミリのネジを舵の軸に接着してやれば舵の完成です。
取り付け時には舵を船体に差し込んでからサーボセイバーをねじ込み、その上からもうひとつナットを締めてやれば 固定出来ます。
Fグリスボックスの加工

前回の陸奥同様、グリスボックスの孔を拡げてから短く切ったパイプを接着して内径をタイトかつ滑らかにしました。
ただ、30pと1/700ではスクリューシャフトの径が違うようで、前回使用した綿棒の軸には入らなかったので、 今回は手持ちのアルミ管からサイズの合う物を選びました。
G各パーツの配置

素組み状態とバランスが変わっても困るのでモーターはそのまま、電池ボックスとサーボと基盤を本来の 電池ボックスの位置に集中配置しました。
サーボはリンクロッドの角度調整の手間を考えるとラダーホーンと同じ高さにした方が楽なので、プラ材でかさ上げ。
ロッドは当初サーボに付属の物を真鍮パイプで接いでましたが、どうにも頼りない感じがしたのでやや太目のピアノ線に 変更しました。当然各ホーンの孔は拡げて動きが渋くならないようにしております。
基盤は最終的に上蓋となる機関部のパーツに固定する予定。
モーターは馬力の上昇を狙ってミニ4駆用のトルクチューンモーターに換装しました。
ちなみに、舵前方のプラ材には密巻スプリングを植えてラダーホーンのストッパーにしましたが、どうにも不完全で 改良の余地ありです。
H水密加工

このキットの船体の接合部は30cmに比べると糊代の部分の合いが良くなく、 接着をするにしても水密に大いに不安がありました。
そこで、糊代の外側に0.2ミリのプラ板を貼って船体上部内壁との密着を良くしてやります。
この際、万一の浸水を考慮して内壁を甲板ぎりぎりまでかさ上げしました。

とりあえず一段落

以上でRC化に的を絞った船体下部の工作は終了です。
次はいよいよ船体上部の加工と艤装に入りますが、今回はここまで。