PC98改DOS-V

先頃マイクロソフト社よりサポート全面打ち切りが発表され、いよいよ過去の遺産と化した感の有るPC9800。
現在も完動品の98を複数所持してたりしますが、もはやスペック上現行機との差は大きく、第一線で使用
するには無理があり、実質DOS時代のゲームを遊ぶ為だけに存在しているというのが現状です。とはいえ、
98で本格的にパソコンを始めた私にとっては特別な愛着もあり、そう簡単に決別出来そうにもありません。
そこで98のケースにマイクロATXのマザーボードを押し込んで、DOS-V機に改造するプランを立てて実行して
みました。「古臭い外見のメカが実は最新スペック!」というシチュエーション、昔から好きなんですよね。
まあ、実際はあちこちのPC弄った際の余り物メインで組み上げたので、最新鋭と言う程の物ではありませんが
一応現行機並みのスペックは達成出来るので、何とか一線級の機体に仕上げられそうです。

1:今回の生贄(笑)
とりあえずケースとして使えそうな98をジャンク屋で仕入れて来ました。
CDドライブ以外はマザーボードと電源ボックスしか残っていないという見事なまでのドンガラです。
後に残るゴミが少なくて良いのですが、唯一の問題点は廉価モデル故に背面の開口部が少ない事。
2:分解@
まず、電源ボックスやドライブブラケット、マザーボードといったビス留めされている部品を全部外します。
3:分解A
後で加工の必要な背面パネルも外します。
この部品はアルミのハトメに鉄芯を打ち込んでかしめる方式のリベットで留められているので、 鉄芯を打ち抜いてからハトメの穴をハトメの外径ぐらいのドリルでもんでやって取り除きました。
あとはビスとナットで留めれば良いわけです。
4:シャーシ製作@
シャーシにモールドされているマザーボード取り付け台座は、当然の事ながらマイクロATXの物とは全く位置が合いません。
そのままでは取り付けの邪魔になりますので、干渉しそうな物を全てハンマーで叩き潰してしまいます。
5:シャーシ製作A
一度マザーボードを置いてビス穴の位置をけがいたら2.5ミリの穴を開けます。
次に98純正のビスをねじ込んでやるとネジ山を切る事が出来ます。
あとはそこに市販のスペーサー(ミリネジ)を植えてやればシャーシは完成です。
6:電源スイッチ
ここは98だと電源ボックスから生えているスイッチが、ステーにネジ留めされた上でシャーシに固定されるといった構成です。
スイッチ自体は市販のATX電源用スイッチと大きさが同じですので、これに交換するだけでATX仕様に出来ました。
7:スピーカーとインジケーター
スピーカーとインジケーター用LEDは一度サブボードに接続されてからマザーボードに繋がっておりましたので、 やはりそのままでは使えません。
そこでスピーカーは市販のケース用の物に交換し、LEDの方は延長用ケーブルを繋いでマザーボードまで届くようにしました。
ただ、ピンの長さが足りないのか接続部は緩々なので、LEDごと交換した方が良かったかも知れません。
色も両方緑で面白くないし。
8:マザーボード搭載
出来上がったシャーシにマザーボードを搭載してみました。
この時点でドライブブラケットの足が一本干渉していたので切り取ってありますが、特に強度に問題は無いようです。
9:背面パネルの加工
電源ボックスは当初省スペース機用の小型の物を使用する予定でしたが、よく見ると純正の物は標準の物とほぼ同サイズ、 ファンの位置やコネクター、ビス穴の位置も一致しておりましたので、出力に余裕の有るこちらを使う事にしました。
それに伴って背面パネルの電源ボックスとの干渉部位およびマザーボードの背面コネクターにかかる部位を切り取りました。
10:電源ボックス搭載
加工の終わった背面パネルをシャシーにビスとナットで固定し、その上で電源ボックスを固定してやれば、取り付け完了です。
11:ドライブ類の搭載
98のドライブブラケットは大抵3.5インチファイルベイが2つ、5インチファイルベイが1つとなっております。
フロッピードライブは純正品と同形状のベゼル無しの物を探し出して装着。
5インチファイルベイには手持ちで余っていたDVDドライブを装着しました。
今回ハードディスクは構成上純正の位置に付けられなかったので、フロッピードライブの下に押し込みました。
12:一応完成
配線を済ましたら一応動作可能となります。
今回は仕様と工法を決められなかった為、フロント下部のオーディオ、リセットスイッチ等は未実装です。
また、背面は前述の通り開口部が少ない為、PCIバスへのボード装着位置が1つに限られており、そこを グラフィックボードが占有しているので、拡張性が全く無いのが難点となっておりますので、いつかは改善したいのですが、 とりあえず今回はここまでです。